ふていき コラム


第18回(2005.03.18)

「平成枯れすすき」

 久しぶりのエッセイで、徒然に書きます。「降る雪や明治は遠くなりにけり」と言う中村草田男の名句があります。これは明治を懐かしんで詠まれたものです。我が昭和も遠くなりにけり、と言わざるを得ない平成の世相になったものです。

 昭和は60余年続き、世代によって感慨は違うでしょう。しかし昭和50年頃までは良くも悪くもある種のエナジーがありました。安保闘争、高度経済成長、ヒッピー族、反戦運動等々。私の記憶に鮮明にあるのは東大安田講堂などの安保闘争です。私は小学生だったので安保の意味は分かりませんでした。みんなでおしくら饅頭をやっているな、と印象深かった訳です。

 その直後に蔓延した空気も興味深かったです。敗北感と言うか熱から冷めた夢のあと、のような感覚。よくは知りませんが、所謂ひとつの「三無主義」ですか。私が何故この言葉を知っているのかと言うと、その頃テレビで放映されていた青春学園ドラマ「おれは男だ!」で描かれていたからです。深夜ラジオに耳を傾け、同級生を「三無主義」から救おうとする主人公。私はその姿に燃えました(笑)。

 そういえば沖縄日本返還反対と声高に叫んでた人達もいたような・・・。学校の先生でしたが、僕たち児童を洗脳して一緒に叫んでました。あの時何故反対するのか、説明してくれましたが、判断力の薄い年頃故、妙に納得させられました。あの時の先生の説明が適切だったかどうか今になっては疑わしいものです。もっとも、何を説明されたか全く覚えていません。

 私は昭和など懐かしくありませんが、平成の世は昭和よりも危険な時世になっていくのでは、と危機感を抱いています。



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